子どもの教育費、いったいいくらかかるのか
「子どもが生まれたら、教育費ってどのくらいかかるんだろう」――これは、これから親になる多くの方が抱く不安ではないでしょうか。漠然とした不安のままでは動けないので、まずは教育費の目安を整理してみましょう。
文部科学省の調査や各種データをもとにすると、子ども一人にかかる教育費の目安はおおむね以下のとおりです。
教育費の目安(幼稚園〜大学まで)
- 幼稚園(3年間):公立 約65万円/私立 約160万円
- 小学校(6年間):公立 約210万円/私立 約1,000万円
- 中学校(3年間):公立 約160万円/私立 約430万円
- 高校(3年間):公立 約155万円/私立 約310万円
- 大学(4年間):国公立自宅通学 約240万円/私立理系自宅通学 約550万円前後(入学金・授業料等)
すべて公立・国公立のルートでも、総額はおよそ800〜1,000万円程度になります。私立を選ぶ場合や、一人暮らしで大学に通う場合はさらに増え、2,000万円前後になることもあります。
特に出費が集中しやすいのが、高校〜大学の6〜7年間です。受験費用・入学金・授業料・仕送りなどが重なり、家計への負担が一気に増えます。この時期に備えてどれだけ準備できているかが、家計の安定を大きく左右します。
いつから準備を始めるべきか
結論からいうと、できるだけ早く、子どもが生まれる前後から始めるのが理想的です。その理由は、「時間を味方につける」という投資・貯蓄の基本原則にあります。
「18年間」という時間軸で考える
子どもが生まれてから大学入学までは、およそ18年間あります。この18年を使って教育費を積み立てるのか、あるいは10年しか準備期間がないのかによって、毎月の積立額は大きく変わってきます。
たとえば、18年後に300万円を用意したい場合(利息・運用益を考慮しない単純計算):
- 18年間で積み立てると:月約1.4万円
- 10年間で積み立てると:月約2.5万円
- 5年間で積み立てると:月約5万円
準備を後回しにするほど、月々の負担が増えます。さらに投資で運用する場合は、時間が長いほど複利効果が大きくなるというメリットもあります。
「まだ生まれていないから」「まずは出産準備費用が落ち着いてから」と先延ばしにしがちですが、教育費の準備に関しては、早く始めることに越したことはありません。
NISAで教育費を準備するという考え方
近年、教育費の準備手段としてNISA(少額投資非課税制度)を活用する家庭が増えています。NISAを使って教育費を準備することのメリットと注意点を整理してみましょう。
NISAで教育費を準備するメリット
- 運用益が非課税:通常、投資の利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座内では非課税です。長期運用の効果をそのまま受け取れます。
- いつでも引き出せる:学資保険と異なり、NISAは必要なときに自由に売却・引き出しができます。急な出費にも対応しやすい柔軟性があります。
- インフレに対応しやすい:銀行預金は物価上昇(インフレ)に弱いですが、株式・投資信託で運用するNISAは長期的にインフレに対応できる可能性があります。
- 夫婦それぞれの口座で非課税枠を活用できる:新NISAでは、年間360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)まで非課税で投資できます。夫婦2人で合計720万円/年の枠があります。
NISAで教育費を準備する際の注意点
- 元本保証がない:投資信託や株式は価格が変動します。必要な時期に値下がりしていると、想定より少ない金額しか準備できない可能性があります。
- 使う時期が明確なお金には慎重に:「18年後に使う」という前提でも、市場環境によっては引き出しのタイミングを見極める必要があります。
- 短期間では効果が出にくい:NISAの恩恵は長期運用で大きくなります。子どもが10歳を超えてから始める場合は、リスクを抑えた運用が望ましいでしょう。
NISAは万能ではありませんが、18年という長い時間軸があれば、有力な選択肢の一つになり得ます。ポイントは「すべてをNISAに頼らず、現金とのバランスを意識すること」です。
学資保険との比較
教育費の準備方法として、以前から定番とされてきたのが学資保険です。NISAと学資保険の特徴を比較してみましょう。
学資保険の特徴
- メリット:元本が確保されるプランが多く、万が一(親が死亡・高度障害)の際に保険料が免除されて満額受け取れる保障機能がある
- デメリット:返戻率が低く、現在は100〜110%程度のものが多い。途中解約すると元本割れのリスクがある。インフレに弱い。
どちらを選ぶべきか
一概にどちらが優れているとは言えませんが、一般的な考え方として:
- 死亡保障が不要で、長期運用のリスクを許容できるなら → NISA
- 元本保証を重視し、保険機能もほしいなら → 学資保険
- 保障はほかの生命保険でカバーしつつ、教育費はNISAで運用する → 組み合わせという考え方も
「どちらか一方」ではなく、家庭の状況・リスク許容度・保障の有無に応じて柔軟に組み合わせることが重要です。
私の場合:29歳、第一子誕生前にどう考えているか
私の場合は、2026年6月に第一子(女の子)が生まれる予定です。現在、夫婦でNISAを運用しており、投資信託の残高は合計780万円ほどになりました。住宅ローンは残高約4,950万円(月13.5万円・変動金利)を抱えており、妻が育休に入ると世帯収入は月70万円から約55万円前後に減る見込みです。
そんな状況でも、子どもの教育費準備を今から始めることが大切だと考えています。具体的には、妻が育休中でも月1〜2万円程度を教育費用の積立として確保することを目標にしています。育休中は収入が減るので大きな金額は難しいですが、「ゼロよりは一歩でも前へ」というスタンスです。
手段としては、今すでに運用しているNISA(つみたて投資枠)を活用しつつ、学資保険については保険料の費用対効果を考えて現時点では見送り気味です。ただし、生命保険の加入を検討中なので、死亡保障とのセットで再検討する可能性もあります。
まとめ:教育費準備は「早く・少額から・継続」が基本
- 教育費の総額は公立ルートでも800〜1,000万円が目安。私立・一人暮らしでは2,000万円超も
- 準備はできるだけ早く、子どもが生まれる前後から始めるのが理想
- NISAは長期運用と非課税メリットを活かせる有力な選択肢。ただし元本保証はない
- 学資保険は保障機能がある一方、返戻率が低い。NISAとの組み合わせも有効
- 大切なのは「完璧な方法を探すより、今すぐ始めること」
よくある質問(FAQ)
Q1. NISAで教育費を準備する場合、どのファンドを選べばいいですか?
一般的には、長期・分散・低コストという観点から全世界株式型や国内外バランス型の投資信託が候補になります。ただし、子どもの年齢が上がるにつれてリスクを下げる(株式比率を減らす)調整も必要です。具体的な銘柄選定は、ご自身のリスク許容度や資産状況をふまえてご判断ください。
Q2. 学資保険は入ったほうがいいですか?
一概には言えません。学資保険の魅力は「元本確保」と「親への死亡保障」ですが、現在の返戻率は高くないため、保障目的であれば生命保険と教育費積立を分けて考える方法もあります。家庭の保険加入状況や収入・支出のバランスを見ながら検討するとよいでしょう。
Q3. 育休中で収入が減っている時期でも、教育費の積立は続けるべきですか?
無理に大きな金額を積み立てる必要はありませんが、少額でも継続することに意味があります。育休中は収入が減るので家計が厳しくなりがちですが、月5,000円〜1万円程度でも早く始めた分だけ時間という武器を活かせます。育休明けに増額する前提で、まずは無理のない金額でスタートする考え方がおすすめです。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品・投資方法を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあり、過去の実績は将来の運用成果を保証するものではありません。学資保険・NISA等の金融商品への加入・投資判断は、ご自身の責任のもと、必要に応じて専門家(ファイナンシャルプランナー等)にご相談のうえ行ってください。また、税制・給付金制度等は変更される場合がありますので、最新情報を各公的機関にてご確認ください。


コメント