「みんな儲かってるから」という理由だけで買ったビットコイン
正直に話します。2021年末、私はビットコインを購入しました。理由はシンプルです。「周りが儲かっている」「このままでは乗り遅れる」という焦りだけでした。
当時29歳手前の私は、投資信託の積立を始めたばかりで、資産運用に少しずつ興味を持ち始めたころでした。SNSや職場でも「仮想通貨で○○万円儲かった」という話が飛び交っていて、「自分も早く動かなければ」という気持ちになったのです。
ビットコインの仕組みをきちんと理解していたか? 正直なところ、ほとんど理解していませんでした。「ブロックチェーンで分散管理されている」「将来的に価値が上がる」という断片的な情報だけを頭に入れ、取引所に口座を開設。当時の手取り収入の中から、かき集めた資金を投入しました。
2022年の暴落でほぼ全損
2021年11月ごろ、ビットコインは史上最高値に近い水準にありました。その直後から下落が始まり、2022年に入ると加速しました。ルナ(LUNA)・テラ(UST)ショック、FTX破綻など、暗号資産市場全体を揺るがす出来事が重なり、ビットコインの価格は一時最高値から70〜80%以上下落しました。
私が購入したのはちょうどその高値圏。下落していくチャートを見ながら「もう少し待てば戻るはず」と思い込み、損切りができませんでした。結果として、投資した資金のうち大半を失いました。具体的な金額は今も思い出すだけで苦しいので省きますが、当時の私にとっては相当な痛手でした。
このときの経験は、「損切りできない人間が投機的な資産に手を出すとどうなるか」を身をもって学んだ出来事です。
なぜ失敗したのか:3つの根本的な間違い
① 「なぜ買うのか」を説明できなかった
ビットコインを買う前に「なぜこの価格で買うのか」「どうなったら売るのか」をまったく考えていませんでした。「上がるから買う」「みんなが買っているから買う」は投資の理由ではなく、ただの感情的な判断です。インデックス投資であれば「世界経済の長期成長に乗る」という明確な理論的根拠があります。しかし当時の私には、ビットコインを買う合理的な根拠が何もありませんでした。
② 損切りラインを決めていなかった
「いくら下がったら売る」というルールを事前に設定していませんでした。下落が始まっても「一時的な調整だ」「また上がるはず」と根拠なく信じ続け、損を確定することへの心理的な抵抗感から動けなくなりました。投機的な資産を扱うなら、出口戦略は入口と同じくらい重要です。
③ 分散投資という発想がなかった
当時の私の資産のうち、投資に使える資金のほとんどをビットコイン一点に集中させていました。インデックス投資であれば世界数千社に自動的に分散されますが、仮想通貨は単一資産です。しかも法定通貨ではなく、規制や技術リスクも伴います。資産をひとつの場所に集中させることの怖さを、このとき初めてリアルに体感しました。
今もXRP(リップル)を20万円分保有している理由
実は今でも、XRP(リップル)を約20万円分保有しています。ビットコインでの失敗を経験しながら、なぜXRPを持ち続けているのか。
正直に言うと、これは「完全に整理しきれていない部分」です。XRPは銀行間送金への活用が注目されており、ビットコインとは異なる用途で語られることが多い通貨です。ただ、それが将来どのくらいの価値になるかは、私には予測できません。
今の私の位置づけは、「資産全体のうち、仮に0円になってもポートフォリオへの影響が最小限の金額だけ残す」というものです。総資産に占める割合は非常に小さく、あくまで「勉強代として残した記念」という感覚に近いかもしれません。ただし、これを「推奨する運用法」として紹介するつもりはまったくありません。
仮想通貨とインデックス投資、何が根本的に違うのか
価値の裏付け
インデックス投資(例:eMAXIS Slim全世界株式)は、世界中の企業の事業活動や利益成長が価値の裏付けになります。企業は商品やサービスを売り、利益を生み出しています。長期的に見れば、世界経済の成長とともに株価も上昇してきた歴史があります。
一方、ビットコインをはじめとする仮想通貨には、事業収益のような「価値を生み出す仕組み」が存在しません。価値は需給と投機的な期待によって形成されており、将来の見通しが非常に不確実です。
価格の振れ幅
インデックス投資でも価格は上下します。しかし仮想通貨は1日に10〜20%以上動くことも珍しくなく、数ヶ月で70〜80%以上下落することもあります。そのボラティリティ(価格変動の大きさ)は、長期的な資産形成には向いていません。
「仮想通貨で儲かった人」の話を聞いてわかったこと
暴落後、仮想通貨で利益を出した知人に話を聞いたことがあります。彼は2017年ごろから少額で仮想通貨を保有しており、高値になる前にかなりの利益を確定させていました。重要だったのは、彼が「儲かったから買った」のではなく、「技術的な可能性に興味があって少額を長く持っていた」という点です。
つまり、仮想通貨で利益を出した人の多くは「流行りに乗って買った人」ではなく、「早い段階から少額を持ち続けた人」です。私のように「値上がりが話題になってから大きな金額を投入した人」は、ほとんどが損をしています。参入タイミングとポジションサイズの問題です。
これは株式市場でも同様です。「みんなが話題にしている」タイミングは、往々にして最も高値に近いタイミングです。「知らなかった人が知り始めるころ」には、早期参入者はすでに売り始めています。
今の私ならどうするか
もし過去に戻れるなら、仮想通貨を買う代わりに、その資金をすべてインデックス投資に回していたと思います。現在の私は、毎月の積立の中心をeMAXIS Slim全世界株式に置き、NISAを最大限に活用した運用を続けています。
仮想通貨に全否定の立場を取るつもりはありません。ただ、「流行っているから」「儲かっているらしいから」という理由だけで手を出すのは、投資ではなく投機に近い行動です。少なくとも私はそれで大きな失敗をしました。
失敗から得た最大の教訓は、「理解できないものにお金を入れない」ということです。自分がなぜその資産を買うのか、どういう状況になったら売るのか、これを説明できない投資は始めないほうがいいと、今は確信しています。
まとめ:仮想通貨投資で学んだこと
- 「みんなが買っているから」は投資の根拠にならない
- 損切りラインを決めずに買うと、下落時に動けなくなる
- 仮想通貨は価値の裏付けが薄く、ボラティリティが非常に高い
- 理解できないものにお金を入れてはいけない
- 資産形成の中心はインデックス投資に置くべき(個人的な考え)
この失敗があったからこそ、今の自分は地道に積立投資を続けることができています。同じ失敗をする人が少しでも減れば、という思いで書きました。
※本記事は個人の体験談に基づくものです。特定の金融商品・仮想通貨への投資を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴い、元本割れの可能性があります。投資判断はご自身の責任でお願いします。
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