持ち家と賃貸、どちらが「お得」か?29歳の私が本気で向き合った理由
「持ち家か賃貸か」——これは多くの人が人生のどこかで悩む、非常に大きなテーマです。私自身、2024年に横浜でマンションを購入し、変動金利で約4,950万円の住宅ローンを組みました。購入前に何度もシミュレーションを繰り返し、賃貸との比較も真剣に考えた経験があります。
正直に言えば、「どちらが絶対にお得」という明快な答えは出ませんでした。しかし、自分たちのライフスタイル・家族計画・資産形成の方向性を踏まえて試算することで、「自分たちにとっての答え」は見えてきます。この記事では、私が実際に行った試算の考え方と、その結論をできるだけ具体的にお伝えします。
まず「コスト」だけで比較してみる
持ち家(購入)の総コスト
持ち家の場合、住宅ローンの月々の返済だけでなく、さまざまな費用が加算されます。以下は購入価格5,000万円・35年ローン(金利0.5%変動)のケースでの概算です。
- 住宅ローン返済総額:約5,450万円(元本+利息)
- 諸費用(購入時):約150〜200万円(登記費用・仲介手数料など)
- 固定資産税:年10〜15万円 × 35年 = 約350〜525万円
- 管理費・修繕積立金(マンションの場合):月3〜4万円 × 35年 = 約1,260〜1,680万円
- 大規模修繕・設備交換(一戸建ての場合):35年で200〜400万円程度
これらを合計すると、35年間で7,000万〜8,000万円程度の支出になる場合もあります。ただし、ローン完済後は住居費がほぼゼロになる点、住宅ローン控除(最大13年間)が適用できる点、そして将来的に売却・賃貸活用ができる点は大きなメリットです。
賃貸の総コスト
同じ35年間、賃貸に住んだ場合を試算します。東京・神奈川でファミリー向け3LDKを借りる場合、月13〜18万円程度が相場の一例です。
- 家賃(月16万円 × 35年):6,720万円
- 更新費:2年ごとに1ヶ月分 ≒ 84万円(17〜18回)
- 敷金・礼金(引越しのたびに):数十万円〜
- 引越し費用(2〜3回と仮定):合計30〜50万円程度
35年間の賃貸コストは、7,000万円前後になることも珍しくありません。コストだけで単純比較すると、持ち家・賃貸ともに大きな差はないケースが多いです。
「資産」の視点で比べると見え方が変わる
持ち家には「資産価値」という要素がある
持ち家の大きな特徴は、支払いが終わったあとも「不動産という資産」が手元に残る点です。ただし、不動産の価値は立地・築年数・市況によって大きく変動します。値上がりするケースもあれば、価値が大きく下がるケースもあります。「資産が残る」というメリットは、立地選びの時点でかなり左右されると考えておく必要があります。
賃貸は浮いたお金を「投資」に回せる
賃貸を選ぶ場合、住宅ローンの頭金に使う予定だった資金を投資に回すことができます。仮に頭金500万円+諸費用200万円の計700万円をオールカントリーインデックスで年利5%と仮定して35年運用した場合、資産は約3,900万円になる試算も成り立ちます。
ただし、これはあくまでシミュレーション上の数字です。投資には元本割れのリスクがあり、将来の運用成果を保証するものではありません。
私の場合は——購入を選んだ理由
私の場合は、2024年に横浜の新築マンションを購入することを選びました。主な理由は以下のとおりです。
- 妻と二人暮らしで、2026年6月に第一子(女の子)が生まれる予定があり、「落ち着いて子育てできる住まい」を求めた
- 当時の変動金利が0.4%台と低く、家賃と比べて月々の返済額がほぼ同等だった
- 通勤・生活環境として気に入ったエリアで、長期定住の意志が固まっていた
- 住宅ローン控除(13年間)の節税効果も見込めた
逆に、転勤や転職の可能性が高い時期だったら、賃貸を選んでいたと思います。持ち家は「住み続ける意志」があって初めて合理性が出てくる選択肢だと感じています。
持ち家・賃貸それぞれに向いている人の特徴
持ち家が向いている人
- 同じエリアに長期的(10年以上)に住む見込みがある
- 子育て環境や間取りのこだわりが強い
- 毎月の家賃支出が「消えるお金」に感じるストレスがある
- 住宅ローン控除や固定費の見通しを立てたい
賃貸が向いている人
- 転勤・転職・ライフスタイルの変化が多い
- 特定の立地に縛られたくない
- 住宅に資金を集中させず、投資に回したい
- 修繕・管理の手間を省きたい
試算よりも大切な「ライフプランとの整合性」
持ち家vs賃貸の議論は、単純なコスト比較だけでは結論が出ません。どこに・誰と・どんな暮らしをしたいか——というライフプランが先にあって、そこにコスト試算を当てはめることが重要です。
住宅は金額が大きいだけに、「なんとなくローンが払えそうだから購入」というのは危険です。家賃・返済額・固定費・将来の収入変化を具体的な数字で見える化したうえで、夫婦や家族で方向性を話し合うことが最善の手順だと思っています。
まとめ:どちらがお得かは「あなたのライフプラン次第」
持ち家と賃貸、コストだけで見れば35年間の総支出はさほど変わらないケースがほとんどです。差がつくのは、「どこに住むか」「不動産の価値がどう変化するか」「浮いた資金をどう運用するか」という個別の要因によります。
私自身は購入を選びましたが、それは転居の予定が当面ない・金利が低い・子育て環境を固めたいという条件が重なったからです。同じ29歳でも、転勤族や単身者であれば賃貸の方が柔軟で合理的な選択になるでしょう。
「持ち家か賃貸か」に正解はありません。大切なのは、自分たちのライフプランに合った選択を、しっかりした数字をもとに検討することです。
【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の不動産・金融商品の購入や賃貸契約を推奨するものではありません。記載しているシミュレーション数値はあくまで概算・例示であり、実際の金利・物件価格・税制等は時期や条件によって大きく異なります。住宅の購入・賃貸に関する判断は、ご自身の状況に応じてファイナンシャルプランナーや不動産の専門家にご相談のうえ、ご自身の責任において行ってください。


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