変動金利で4950万円借りた私が感じた「金利上昇リスク」のリアル
2024年、29歳のときに横浜市でマンションを購入し、変動金利でおよそ4,950万円の住宅ローンを組みました。当時の適用金利は0.4%台で、月々の返済額は約13.5万円。「周りから借りすぎだと言われたけれど、変動を選んだのは自分の判断だ」と思いながらも、内心は不安でした。
しかし2024年以降、日本銀行が金融政策の正常化に向けた動きを見せはじめ、変動金利にも影響が出始めました。そして2026年6月には第一子が生まれる予定で、妻が育休に入ることで世帯収入は70万円→約60万円に減ります。収入が下がるタイミングと金利上昇リスクが重なる可能性がある——これが今の私の現実です。
この記事では、変動金利で多額のローンを抱える立場から、金利上昇リスクへの備えとして実際に取り組んでいることをまとめます。
なぜ私は変動金利を選んだのか
マンション購入時、固定金利(当時1.5〜2.0%台)と変動金利(0.4%台)の差は約1.5%ありました。4,950万円・35年で試算すると、月々の返済額の差は約3.5万円。年間42万円の差です。
「35年間ずっと金利が変わらない安心」を取るか、「今の低金利メリットを享受しながら、上がったときに対応する」かの選択でした。私が変動を選んだ理由は3つです。
- 理由①:手元に現金950万円・投資信託780万円があり、金利が上昇しても対応できる余力があると判断した
- 理由②:世帯収入(共働き・手取り約70万円)に対してローン返済額(13.5万円)の比率が約19%で、余裕があると見た
- 理由③:差額の3.5万円/月をNISAに追加投資すれば、長期的には固定金利の金利差を上回るリターンが期待できる
ただし、この判断は「金利が上がったときに動ける準備がある」ことが前提です。貯蓄がない状態で変動を選ぶのはリスクが高いと思っています。
変動金利のリスクを正しく理解する
変動金利の仕組みと「5年ルール・125%ルール」
変動金利型の住宅ローンには、多くの金融機関で「5年ルール」と「125%ルール」が設けられています。5年ルールとは、金利が変動しても返済額の見直しは5年ごとにしか行われないという仕組みです。125%ルールとは、たとえ金利が上昇しても、次の5年間の返済額は直前の1.25倍を上限とするという制限です。
一見すると安心に思えますが、注意が必要なのは「返済額が変わらなくても、内訳(元本・利息の比率)は変わる」という点です。金利が上がると利息分が増え、元本の減りが遅くなります。最悪のケースでは「未払い利息」が発生することもあります。
金利が1%・2%上昇した場合の試算
4,950万円・35年返済のケースで、金利が変動した場合の月返済額の目安を示します(元利均等返済・概算)。
- 金利0.5%:月返済額 約12.9万円
- 金利1.5%:月返済額 約15.1万円
- 金利2.5%:月返済額 約17.6万円
- 金利3.5%:月返済額 約20.2万円
金利が現状から2%上昇するだけで、月々の負担が4〜5万円増える計算です。年間で50〜60万円の追加負担となり、家計への影響は決して小さくありません。
私が実践している金利上昇リスクへの備え
1. 毎月の家計支出の徹底管理
金利が上がったときに返済を続けられるかどうかは、家計の余力にかかっています。私の場合は、毎月の支出目標を32万円以内に設定し、家計簿アプリで収支を記録しています。現在の世帯手取りは約70万円なので、住宅ローン返済(13.5万円)を含めても一定の余裕がある状態を維持できています。
2. 手元の現金(緊急予備資金)を厚めに確保する
変動金利リスクへの備えとして、現金の確保は非常に有効な手段のひとつです。現在、現金は約950万円を保有しています。月の生活費が32万円程度であることを考えると、約30ヶ月分の生活費に相当します。全額を投資に回さず、一定の流動性を保つことを意識しています。
3. 繰り上げ返済を計画的に検討する
繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。残債が多い時期に繰り上げ返済を行うと、元本が減って将来の利息負担を抑える効果が期待できます。緊急資金を確保したうえで、余剰資金が出た際に年1〜2回のペースで繰り上げ返済を検討するスタンスを取っています。
4. 投資信託(NISA)の運用を継続しつつバランスを取る
現在、夫婦でNISAを活用し、投資信託を約780万円運用しています。ローン金利が低い水準にある間は、長期的な資産形成として投資を継続することにも一定の合理性があります。家計全体のバランスを見ながら、月々の積立額を調整できる柔軟性を持たせることが重要です。
5. 金利上昇時の「固定金利への借り換え」を選択肢として持つ
変動金利から固定金利への借り換えは、金利上昇に対して確実性を高める手段のひとつです。現時点では変動金利を継続していますが、政策金利の動向や住宅ローンの優遇金利の変化を定期的にチェックしています。
6. 金利シミュレーションを定期的に行う
半年〜1年に一度、住宅ローンの金利シミュレーションを見直す習慣をつけています。数値を定期的に確認することで、漠然とした不安を「具体的な数字」に変換できます。
子どもが生まれることで変わるリスクの重さ
正直に言うと、マンション購入時より今のほうがリスクへの緊張感が増しています。理由はシンプルで、6月に第一子が生まれ、妻が育休に入るからです。
育休前後の家計の変化を試算するとこうなります。
- 現在(共働き):世帯手取り約70万円 → 支出32万円 → 月約38万円の余裕
- 育休前半(6ヶ月):世帯手取り約60万円(妻の育休給付金67%) → 支出は赤ちゃん費用増で35万円前後 → 月約25万円の余裕
- 育休後半(6ヶ月〜):世帯手取り約55万円(妻の育休給付金50%) → 月約20万円の余裕
「余裕が減る」という事実は変わりませんが、月20万円の余裕があれば金利が1〜2%上昇しても(月4〜5万円の増額)、家計が壊れることはないと計算しています。ただし、車の購入も検討しているため、そこが変数として残っています。
子どもが生まれたあとに意識すべきなのは、「金利が上がった場合の最悪シナリオ」を数字で把握しておくことです。把握していれば不安は具体的な課題になりますが、把握していなければただの恐怖になります。
金利上昇に強い家計を作るための考え方
「金利が上がったら困る」ではなく「上がっても対応できる」状態を目指す
変動金利を選んだこと自体が問題なのではなく、「上がったときにどう対応するか」を事前に考えているかどうかが重要です。緊急予備資金の確保・家計の見直し・繰り上げ返済の計画・借り換えの選択肢——これらを組み合わせることで、金利変動へのレジリエンスを高めることができます。
夫婦で共有するリスク認識
住宅ローンのリスク管理は、一人ではなく夫婦で共有することが大切です。私の場合は、年に1〜2回、住宅ローンの残高・シミュレーション結果・家計の余力を夫婦で確認する時間を設けるようにしています。
よくある質問
Q. 変動金利は今後どのくらい上がる可能性がありますか?
A. 日本銀行の金融政策次第で変動しますが、将来の金利を正確に予測することは誰にもできません。各種シミュレーションツールで複数のシナリオを試算しておくことが重要です。
Q. 変動金利から固定金利に切り替えるべきですか?
A. 一概には言えませんが、残債が多く返済期間が長い場合はリスクが高まります。金融機関への相談や住宅ローンアドバイザーへの相談も選択肢の一つです。
Q. 繰り上げ返済と投資、どちらを優先すべきですか?
A. ローン金利と投資の期待リターンのバランスで判断する考え方が一般的です。ただし家計の安心感も大切な要素のため、正解は人それぞれです。
【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品・サービスの利用を推奨するものではありません。住宅ローンの借り換えや繰り上げ返済の判断については、ご自身の状況に合わせて金融機関やファイナンシャルプランナー等の専門家にご相談ください。記載している金利・返済額のシミュレーションはあくまで概算であり、実際の数値は金融機関や契約内容によって異なります。


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