育休中の妻を扶養に入れるべき?条件・手続き・メリットをわかりやすく解説

節約・家計管理

育休中の妻を「扶養に入れる」とはどういうことか

妻が育休を取得すると、育児休業給付金を受け取ることになりますが、それでも収入は大幅に減ります。「収入が減るなら扶養に入れた方がいいのでは?」と考える方は多いと思います。

ただし、「扶養」には大きく2種類あります。それぞれで条件・メリット・手続きが異なるため、混同しないことが重要です。

  • 税法上の扶養(所得税・住民税の控除):夫の税負担が軽くなる
  • 社会保険上の扶養(健康保険・年金):妻の保険料負担がなくなる

育休中の場合、状況によってはどちらか一方だけ適用できる、あるいは両方適用できる場合もあります。以下でそれぞれ詳しく見ていきましょう。

①税法上の扶養に入れる条件とメリット

条件:年間所得が48万円以下(年収103万円以下)

税法上の扶養(配偶者控除または配偶者特別控除)に入れるには、妻のその年の合計所得金額が一定以下である必要があります。

  • 配偶者控除:妻の合計所得が48万円以下(給与収入のみなら年収103万円以下)
  • 配偶者特別控除:妻の合計所得が48万円超〜133万円以下(年収103万円超〜201.6万円以下の目安)

育休中の収入は「育児休業給付金」が主な収入源になります。ここで重要なのが、育児休業給付金は非課税だという点です。つまり、課税所得の計算には含まれません。

育休中に妻が給与を受け取っていない場合、または年の途中から育休に入った場合は、その年の給与収入額だけで判断します。たとえば、4月以降育休に入り1〜3月の給与収入が103万円以下なら、配偶者控除の対象になる可能性があります。

メリット:夫の所得税・住民税が軽減される

配偶者控除が適用されると、夫の課税所得から38万円が控除されます(夫の合計所得が900万円以下の場合)。

  • 所得税の節税額:38万円 × 税率(20%なら約7.6万円)
  • 住民税の節税額:33万円 × 10% = 約3.3万円

合計で年間10万円前後の節税になるケースもあります。妻の収入が一定を超える場合でも、配偶者特別控除で段階的に控除が受けられます。

手続き:年末調整または確定申告

税法上の扶養は、年末調整か確定申告で申告します。

  • 夫の会社の年末調整(11〜12月)で「配偶者控除等申告書」を提出する
  • 妻の年収が確定してから、正確な数字を記入する
  • 育休給付金は所得に含まれないため、給与分のみ記載する

②社会保険上の扶養に入れる条件とメリット

条件:年収130万円未満かつ健康保険に加入していないこと

健康保険の被扶養者(扶養)に入るには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 今後の年収見込みが130万円未満(60歳以上・障害者は180万円未満)
  • 妻自身が勤務先の健康保険に加入していない
  • 夫の健康保険の扶養要件を満たしている

ここが育休中の大きなポイントです。育休中は雇用関係が継続しているため、妻はもとの勤務先の社会保険に加入したままなのが一般的です。この場合、夫の健康保険の扶養には入れません。

ただし、育休中は社会保険料の免除制度があります。育休期間中は、妻自身の健康保険料・年金保険料が免除されるため、扶養に入れなくても実質的な負担はゼロになります。これは育児休業中の大きなメリットです。

パートなど社会保険未加入のケース

妻がパートや派遣などで、もとから社会保険(健康保険・厚生年金)に加入していなかった場合は、育休中に夫の扶養に入れる可能性があります。この場合は夫の勤務先に確認してみてください。

メリット:保険料の二重負担ゼロ

社会保険の扶養に入れる場合は、妻の国民健康保険料や国民年金保険料を別途支払う必要がなくなります。年間で数十万円の節約につながることもあります。

わが家の場合はどうなる?実例で解説

私の場合、妻は正社員で会社の社会保険に加入しています。育休は2026年6月から取得予定です。育休中は勤務先の健康保険に加入したままなので、社会保険の扶養に入るのは難しい状況です。ただ、育休中は社会保険料が免除されるため、妻の保険料負担はゼロになります。

一方、税法上の扶養については、妻が育休に入る前(1〜5月)の給与収入が103万円を超える見込みのため、配偶者控除の適用は難しそうです。ただ、配偶者特別控除で一部の控除は受けられる可能性があります。年末調整のタイミングで改めて確認する予定です。

このように、育休中の扶養は「収入状況」と「もとの雇用形態」によって大きく異なります。ご自身の状況に合わせて確認することが大切です。

扶養に入れるための具体的な手続きステップ

税法上の扶養(年末調整)の手続き

  1. 妻のその年の給与収入を確認する(源泉徴収票を取り寄せる)
  2. 育休給付金は所得に含まれないことを確認する
  3. 夫の会社の年末調整書類「給与所得者の配偶者控除等申告書」を記入・提出する
  4. 申告し忘れた場合は確定申告で追加申告が可能(5年以内)

社会保険の扶養手続き(対象者のみ)

  1. 妻がもとの勤務先の社会保険に未加入かどうかを確認する
  2. 夫の勤務先の総務・人事部門に「被扶養者異動届」を提出する
  3. 妻の収入を証明する書類(給与明細・育休給付金の通知など)を添付する
  4. 認定されると、夫の健康保険証に妻が追加される

よくある疑問Q&A

Q. 育児休業給付金は所得に含まれますか?

A. 含まれません。育児休業給付金は非課税収入のため、税法上の扶養判定では収入としてカウントされません。

Q. 育休中に妻の社会保険料は払わなくて済みますか?

A. 育休期間中は、妻が勤務先の社会保険に加入したまま、保険料が免除されます(申請が必要)。夫の扶養に入らなくても保険料負担はゼロです。

Q. 年途中から育休に入った場合、扶養はどうなりますか?

A. 育休前の給与収入と、育休後の収入(基本は0円+非課税の給付金)を合算した年収で判断します。1月から育休に入った場合は配偶者控除の対象になりやすく、年後半から入った場合は年収が超えることもあります。

Q. 育休が終わって妻が復職したら扶養はどうなりますか?

A. 復職後は収入が増えるため、扶養条件を外れることになります。税法上の扶養は年単位で判断されるため、復職した年の年収で再判定されます。社会保険の扶養に入っていた場合は、収入が増えた時点で速やかに扶養解除の手続きが必要です。

まとめ:育休中の扶養は2種類をセットで確認しよう

育休中の妻を扶養に入れるかどうかは、「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」を分けて考えることが重要です。

  • 税法上の扶養:妻のその年の給与収入が103万円以下なら配偶者控除が使えて夫の税負担が減る。育休給付金は所得に含まれない
  • 社会保険上の扶養:正社員で勤務先の社会保険加入中の場合は原則入れない。ただし育休中は保険料が免除されるため実質負担ゼロ

まずは妻の雇用形態と、その年の給与収入の見込み額を確認するところから始めてみてください。年末調整の時期に合わせて、会社や社労士に相談するのも一つの方法です。

制度の詳細や条件は変更されることがありますので、最新情報は国税庁・日本年金機構・加入している健康保険組合の公式サイトでご確認ください。

実際に我が家でも、妻の育休中の扶養手続きを経験しました。29歳・横浜在住で、SaaS企業勤務の年収730万円。ビズリーチ経由でゼネコンから転職し、2026年6月に第一子誕生を控えた今、住宅ローン4950万円とNISA・投資信託840万円を並行管理しています。扶養の判断は税法・社会保険の両軸で考えることで、年間数万円の節税効果が見込めると感じています。


【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的としており、税務・社会保険に関する個別の判断を保証するものではありません。税額・保険料・各種制度の条件は法改正や個人の状況により異なります。具体的な手続きや判断については、税務署・社会保険事務所・勤務先の担当部署または専門家(税理士・社会保険労務士)にご相談ください。

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