奨学金を返しながら資産形成する方法【繰り上げ返済vs投資どちらが得か計算】

NISA・投資入門

奨学金を返しながら資産形成できるのか?

「奨学金の返済があるから投資なんて無理」と思っている方は少なくないと思います。でも実は、奨学金の金利と投資の期待リターンをきちんと比較すれば、両立できるケースは十分にあります。

この記事では、第一種・第二種奨学金の金利の仕組みから、NISAを活用した投資との比較、繰り上げ返済と投資を並行するシミュレーションまでを解説します。自分の状況に合った判断基準を見つける参考にしてください。

第一種・第二種奨学金の金利を確認しよう

まず奨学金の種類と金利を整理します。日本学生支援機構(JASSO)の奨学金には大きく分けて2種類あります。

第一種奨学金(無利子)

第一種は無利子のため、借りた金額をそのまま返済すれば済みます。金利負担がゼロなので、繰り上げ返済の優先度は低く、手元資金を投資に回すほうが合理的といえます。

第二種奨学金(有利子)

第二種は利息がかかります。利率には固定方式と利率見直し方式の2種類があり、在学中の利率設定時期によって異なりますが、多くの場合は年利0.1〜1.0%程度で推移してきました。ただし上限は年3.0%と定められています。

自分の利率がわからない場合は、スカラネット・パーソナル(JASSOの会員サービス)でログインすると確認できます。

NISAの期待リターンと比較してみる

つみたてNISAや新NISAで全世界株式インデックスファンドに長期投資した場合、過去の実績に基づく年間期待リターンはおおむね4〜7%程度とされています(将来のリターンを保証するものではありません)。

金利差で考える損得の目安

  • 奨学金の金利が年0.5%、投資の期待リターンが年5%なら → 差は約4.5%で投資有利
  • 奨学金の金利が年2.0%、投資の期待リターンが年5%なら → 差は約3.0%で投資有利
  • 奨学金の金利が年3.0%(上限)、投資の期待リターンが年3%なら → ほぼ同等

単純計算では、奨学金の金利が低ければ低いほど、繰り上げ返済よりも投資に回すほうが資産形成の効率が上がる可能性があります。

繰り上げ返済 vs 投資:シミュレーションで比較

ここでは残債150万円・金利年1.0%・返済期間あと10年のケースで考えてみます。

【パターンA】繰り上げ返済を優先

毎月2万円を奨学金の繰り上げ返済に充てた場合、返済期間を短縮できるだけでなく、支払利息を減らせます。金利1.0%の場合、10年間の利息総額はおよそ7.5万円程度の節約になります。

【パターンB】NISAで投資を優先

同じ毎月2万円をNISAの全世界株式に積立てた場合、年率5%のリターン(複利)で10年後には約310万円程度になる計算です(税制優遇あり。あくまでシミュレーション値)。

【パターンC】繰り上げ返済と投資を並行

毎月2万円のうち、1万円を繰り上げ返済・1万円をNISA積立に分ける方法です。リスクを分散しながら両方進めることができ、心理的なバランスも取りやすいです。

私の場合はこう考えました

私自身も社会人になってから数年間は奨学金の返済と投資を並行していました。私が借りていたのは第二種奨学金で、金利は0.3%台と低かったため、繰り上げ返済よりもNISAへの積立を優先しました。結果として、投資信託の資産残高を着実に増やせたと感じています。ただし、これは金利が低かったケースであり、すべての方に当てはまるわけではありません。

収入・残債に応じた判断基準

状況によって最適な戦略は異なります。以下を参考にしてください。

繰り上げ返済を優先すべきケース

  • 奨学金の金利が年2.5%以上と高い
  • 残債が多く、精神的なストレスになっている
  • 収入が不安定で、投資元本割れのリスクを取れない
  • 近い将来、住宅ローンを組む予定がある(返済能力の審査に影響する場合がある)

投資(NISA)を優先すべきケース

  • 奨学金の金利が年1.0%未満と低い(特に第一種は無利子なので投資優先一択)
  • 収入が安定していて、長期投資を継続できる見通しがある
  • 生活防衛資金(月支出3〜6ヶ月分)をすでに確保している
  • NISAの非課税枠を将来のために早めに活用したい

並行が向いているケース

  • 金利が年1〜2%程度で「どちらが得か」判断しにくい
  • 投資の習慣をつけながら、着実に返済も進めたい
  • 月の余剰資金が少なく、大きな金額を一方に集中させにくい

奨学金返済中でも意識したいお金の優先順位

奨学金の返済は毎月の固定支出として続くため、家計全体の優先順位を整理しておくことが重要です。

  1. 生活防衛資金の確保:まず月支出3〜6ヶ月分を現金で確保する
  2. 奨学金の返済継続:基本の返済額は必ず守る
  3. NISA積立の開始:少額(月3,000円〜)でも早く始めることで時間を味方にする
  4. 余剰資金で繰り上げ返済 or 追加積立:金利と状況に応じて選択する

私自身、ゼネコンから建設系ITベンダー、そしてビズリーチを使いSaaS企業へ転職してきました。29歳・横浜在住で、現在の年収は730万円です。住宅ローン4950万円を抱えながら、投資信託840万円とNISAを並行して積み立てています。実際に「奨学金を返しながら投資する」という選択は、金利差が明確なときほど合理的だと感じています。

まとめ

奨学金の返済と資産形成は、必ずしも「どちらか一方」ではありません。金利と投資の期待リターンの差を理解したうえで、自分の収入・残債・リスク許容度に合わせた戦略を選ぶことが大切です。

特に第一種奨学金(無利子)の方は、繰り上げ返済の優先度は低く、NISAでの積立を早く始めることに大きなメリットがあります。第二種の方も、金利が低いうちは並行作戦が有効な場合が多いです。

まずは自分の奨学金の金利を確認して、月いくら投資に回せるかを計算してみることから始めてみてください。

参考情報


【免責事項】本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・投資手法を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴い、元本割れの可能性があります。奨学金の返済方針や投資の判断については、ご自身の責任のもとで行ってください。シミュレーションはあくまで参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。

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