子どもの教育費、早めに準備しないと後悔する理由
子どもが生まれると、真っ先に頭をよぎるのが「教育費」の問題ではないでしょうか。文部科学省の調査によると、幼稚園から高校まで公立に通わせた場合でも約570万円、大学まで含めると国公立でも1,000万円前後かかるとされています。私立に進んだ場合はさらに大きな金額になります。
こうした費用は18年かけて少しずつ積み立てれば十分まかなえます。しかし「いざとなれば何とかなる」と後回しにしてしまうと、高校・大学受験期に一気に支出が増えて家計が苦しくなるケースは少なくありません。
私の場合は、第一子の誕生を6月に控えた今年の春から、教育費の準備方法を本格的に調べ始めました。毎月の住宅ローン返済が13.5万円ある中で、さらに教育費まで積み立てるとなると、どの手段が最も効率的かをしっかり比較する必要があります。今回はその調査結果をまとめました。
学資保険とは?仕組みとメリット・デメリット
学資保険の基本的な仕組み
学資保険は、子どもの教育費を目的とした貯蓄型の保険商品です。毎月一定額の保険料を支払い、子どもが進学するタイミング(18歳前後など)に「学習祝い金」や「満期保険金」として受け取る仕組みです。
多くの商品では、契約者(親)が死亡・高度障害状態になった場合、以降の保険料が免除されて満期時に予定通りの保険金が受け取れる「払込免除特約」が標準でついています。
学資保険のメリット
- 元本割れリスクがほぼない:満期まで継続すれば、払い込んだ保険料より多い金額が戻ってくる(返戻率100〜105%程度)
- 強制的に積み立てられる:口座から自動引き落としのため、使い込むリスクがない
- 死亡保障がセットになる:親に万一のことがあっても教育費が確保される
- 生命保険料控除が使える:年間最大4万円の控除(旧制度は5万円)が受けられる
学資保険のデメリット
- 返戻率が低下傾向:低金利環境が長引いた影響で、かつて108〜110%あった返戻率が現在は100〜105%程度まで下がっている
- インフレに弱い:受取金額が固定されているため、将来の物価上昇に対応できない
- 中途解約すると元本割れ:家計が苦しくなって途中解約すると、払込額より少ない金額しか戻らない
- 資金の流動性が低い:満期前に自由に引き出すことができない
ジュニアNISAは2023年に廃止済み。今の選択肢は?
以前は「子ども向けの非課税口座」としてジュニアNISAが存在しましたが、2023年12月に新規投資が終了し、現在は利用できません。ただし2024年からスタートした新NISAでは、親名義の口座を活用することで同等以上の効果が期待できます。
具体的には、親の新NISA口座(つみたて投資枠)で毎月一定額を積み立て、子どもの進学に合わせて取り崩す方法です。非課税で運用でき、途中でいつでも売却・引き出しが可能な点が大きな特徴です。
学資保険 vs NISA積立:5つの観点で徹底比較
ここでは、学資保険と親のNISA口座を使った投資信託積立の2択を、主要な5つの観点で比較します。
| 比較項目 | 学資保険 | NISA(投資信託積立) |
|---|---|---|
| 期待リターン | 返戻率100〜105%程度 | 年率3〜7%(変動あり) |
| 元本保証 | 満期まで継続すれば実質あり | なし(元本割れの可能性あり) |
| 資金の引き出し | 基本的に満期まで不可 | いつでも可能 |
| インフレ対応 | 弱い(受取額固定) | 強い(資産が成長する可能性) |
| 死亡保障 | あり(払込免除特約) | なし(別途生命保険が必要) |
| 税制メリット | 生命保険料控除(最大4万円) | 運用益・配当が非課税 |
| 精神的ハードル | 低い(元本割れしにくい) | やや高い(下落時に不安になる) |
18年間・月1万円で積み立てた場合のシミュレーション(目安)
- 学資保険(返戻率103%):払込総額216万円 → 受取額 約222万円(利益 約6万円)
- NISA・年率3%:払込総額216万円 → 資産額 約約295万円(利益 約79万円)
- NISA・年率5%:払込総額216万円 → 資産額 約約358万円(利益 約142万円)
※あくまでも試算です。投資信託の運用成果は保証されるものではなく、元本を下回る可能性があります。
私がNISA積立を選んだ理由
私の場合は、教育費の準備方法として「NISA口座での投資信託積立」を選ぶことにしました。その理由は主に3つです。
理由①:すでにNISAで運用実績があり、仕組みを理解している
夫婦でNISAをすでに活用しており、全世界株式インデックスファンドを中心に積立を続けています。教育費専用に新たな口座を開設するよりも、既存の仕組みを活用するほうが管理もシンプルで続けやすいと判断しました。
理由②:流動性の高さが育休中の家計に安心感をもたらす
妻が2026年6月から育休に入る予定で、その間の世帯収入は通常の70万円から55〜60万円程度に減少します。学資保険の場合、中途解約は元本割れのリスクがあるため、万が一の家計ひっ迫時に柔軟に対応できません。NISAであれば必要に応じていつでも取り崩せるため、緊急時のバッファとしても機能します。
理由③:長期で見れば資産成長の期待値が高い
18年という長い時間軸で考えると、全世界株式インデックスへの積立は歴史的に見て高い確率でプラスのリターンを得られてきました。もちろん将来の保証はありませんが、低金利が続く中で返戻率100〜105%の学資保険に頼るより、長期分散投資のほうが教育費を効率よく増やせる可能性があると考えています。
学資保険が向いている人・NISAが向いている人
学資保険が向いている人
- 投資のリスクが心理的に受け入れられない
- 強制積立の仕組みがないと貯められない自覚がある
- 親の死亡保障を学資保険で兼ねたい
- 生命保険料控除を最大限に活用したい
NISAが向いている人
- 長期投資に対して抵抗がなく、ある程度の値動きを受け入れられる
- すでに生命保険(定期保険など)に加入しており、死亡保障が確保されている
- 資金を柔軟に引き出せる流動性を重視している
- インフレに対応した資産形成をしたい
まとめ:どちらが絶対に正解ではない。目的と性格に合わせて選ぼう
学資保険とNISA(投資信託積立)には、それぞれ異なる特性があります。「元本割れしないことを最優先にしたい」なら学資保険、「長期で効率よく資産を増やしたい」「途中で使える柔軟性がほしい」ならNISA積立が向いているといえます。
両方を組み合わせる方法もあります。たとえば学資保険で最低限の教育費(100万円分)を確実に確保しつつ、残りをNISAで運用するという考え方です。
重要なのは「何もしないこと」を避け、今から少しでも準備を始めることです。18年という時間は、複利効果を最大限に活かせる貴重なリソースです。赤ちゃんの誕生と同時に準備をスタートするのが、最もシンプルで合理的な選択肢だと私は考えています。
参考情報
【免責事項】本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・保険商品への投資・加入を推奨するものではありません。投資信託は元本が保証されておらず、運用成績によっては元本を下回る可能性があります。学資保険の返戻率・保険内容は各社・各商品によって異なります。記載の数値・制度は執筆時点(2026年4月)の情報に基づいており、今後変更される可能性があります。具体的な運用・保険の検討に際しては、各金融機関・保険会社または専門家にご相談ください。


コメント