クレジットカード不正利用の現状|被害額は年間540億円超
クレジットカードの不正利用は、年々増加傾向にあります。一般社団法人日本クレジット協会の発表によると、2023年のクレジットカード不正利用被害額は約541億円にのぼるとされています。これは過去最高水準で、5年前(2018年:約235億円)と比べると2倍以上に増えているのが現状です。被害件数も年間約50万件超に達しており、もはや「他人事」ではありません。
「自分は気をつけているから大丈夫」と思っていても、利用者側に非がないケースでも被害に遭うことがあります。カード会社のデータベースから情報が流出するケースもあれば、オンラインショッピングサイトへの不正アクセスで情報が盗まれることもあります。ポイ活や日常的な決済にクレジットカードを活用しているなら、セキュリティ対策は避けて通れないテーマです。
不正利用の主な手口を知っておく
対策を立てるには、まず相手の手口を知ることが大切です。代表的な手口を3つ紹介します。
①フィッシング詐欺
カード会社や銀行を装った偽メール・偽SMS・偽サイトに誘導して、カード番号・有効期限・セキュリティコードなどを入力させる手口です。「ご利用確認のため」「セキュリティ強化のため」といった文言が多く、本物そっくりのデザインで作られています。URLをよく確認せずにリンクを踏むと、気づかないうちに情報を抜き取られてしまいます。
②スキミング
ATMや決済端末に偽の読み取り機(スキマー)を取り付けて、カードの磁気情報を盗む手口です。海外では特に多く発生していますが、国内でも報告事例があります。最近はICチップ搭載カードが普及し、スキミング被害は減少傾向にありますが、磁気ストライプを使う加盟店では依然リスクがあります。
③EC事業者・サービスからのデータ漏洩
利用者側が何も悪いことをしていなくても、ショッピングサイトやサービス事業者がサイバー攻撃を受け、登録しているカード情報が流出するケースがあります。「情報漏洩のお知らせ」のメールを受け取った経験がある方も多いのではないでしょうか。この手口では利用者に落ち度がないため、補償対象になりやすい一方で、自分では防ぎにくいという側面もあります。
不正利用を防ぐための対策7選
具体的な予防策を7つまとめます。どれも今日からできる内容です。
1. 利用通知(アラート)メール・アプリ通知を設定しておく
カードが使われるたびにスマホに通知が届く設定にしておくことが、最も基本的かつ効果的な対策です。不正利用が発生した場合、自分が気づくのが早ければ早いほど被害を最小限に抑えられます。エポスカードの場合は「エポスNetアプリ」、JREカードは「JRE POINT アプリ」や「ビューカードアプリ」でリアルタイム通知を設定できます。設定には数分もかかりません。
2. 明細を毎月確認する
通知設定に加え、月次の明細もしっかり確認する習慣をつけましょう。少額の不正利用(テスト的に少額を試した後に高額利用する手口)は通知だけでは気づきにくいこともあります。家計簿アプリ(マネーフォワードなど)と連携すれば、自動で一覧化されるので確認が格段に楽になります。
3. フィッシングメール・SMSのリンクは踏まない
カード会社や銀行を名乗るメール・SMSが届いても、そのリンクは踏まないようにしましょう。正規のサービスにアクセスする際は、メールのリンクではなくブラウザのお気に入りや公式アプリから直接ログインしましょう。「ご本人確認が必要です」「不審なアクセスがありました」などの文言は、フィッシングの典型パターンです。
4. セキュリティコードを保存・共有しない
カード裏面の3桁(または4桁)のセキュリティコード(CVV/CVC)は、オンライン決済で使われる重要な情報です。ブラウザやメモアプリに保存したり、他者に伝えたりしないようにしましょう。正規のカード会社がセキュリティコードを電話やメールで聞いてくることはありません。
5. ネットショッピングは信頼できるサイトのみで利用する
見慣れないショッピングサイトでカード情報を入力する際は注意が必要です。URLが「https://」で始まっているか、運営会社の情報が明記されているか、口コミや評判はどうかを確認する習慣をつけましょう。安さにつられて怪しいサイトで購入しようとするのは、リスクと釣り合わないことが多いです。
6. 使わないカードは解約またはロック機能を活用する
枚数が増えてほとんど使っていないカードがあれば、管理が難しくなります。不要なクレジットカードは整理し、メインで使うクレジットカードに絞るのがおすすめです。最近はアプリからカードを一時的にロック(利用停止)できるカード会社も増えています。旅行中など特定の期間だけ使うカード以外はロックしておく、という使い方も有効です。
7. 公共Wi-Fiでのカード決済は避ける
カフェや空港などの無料Wi-Fiは、通信が傍受されるリスクがあります。クレジットカード番号の入力や、カード情報を含む決済操作は、自宅のWi-Fiまたはモバイル通信で行うのが安全です。
私の場合:エポスカード・JREカードの管理術
私の場合は、エポスカード(妻との家族カードとして共有)とJREカード(個人メイン)の2枚体制で管理しています。29歳・共働き夫婦で横浜在住。月の決済はほぼこの2枚に集中しており、合計で月15〜20万円程度の利用があります。
実際に一度、妻がコンビニで使った約3,000円の明細が見慣れない店名で表示されて「これ不正利用では?」となったことがありました。フィッシングではなく正規の利用でしたが、通知があってすぐ確認できたので安心できました。
我が家では、エポスNetアプリの通知を夫婦のスマホ両方に設定し、毎月末に明細を一緒に確認する時間を作るようにしています。家計管理ツール(マネーフォワード ME)で自動分類しているので、見慣れない店名や金額があればすぐ気づけます。正直、以前は明細確認を後回しにしがちでしたが、通知アプリを使い始めてから意識が変わりました。実際に運用して、「使われたらすぐ確認」のサイクルが自然にできるようになったと感じています。
被害に遭った時の対処法
万が一、不正利用の疑いがある場合の対応手順を整理します。焦らず、順番に対応しましょう。
ステップ1:カード会社に即連絡・利用停止
不審な明細を発見したら、まず最初にカード会社のカスタマーセンターに電話します。カードの裏面や公式サイトに記載されている番号に連絡し、「身に覚えのない利用がある」と伝えましょう。24時間対応の窓口が多く、電話一本でカードを利用停止にしてもらえます。時間が経つほど被害が拡大するリスクがあるため、気づいたら即日対応することが重要です。
ステップ2:不正利用の申告・調査依頼
カード会社に不正利用として申告すると、調査が開始されます。調査の結果、不正利用と認められれば補償の対象となります。調査期間はカード会社によって異なりますが、数週間〜1か月程度かかることが一般的です。
ステップ3:警察へ被害届の提出
カード会社への連絡と並行して、最寄りの警察署に被害届を提出することをおすすめします。捜査が行われるというよりも、被害届の受理番号が補償手続きで必要になるケースがあります。また、被害の実態を記録に残すという意味でも重要です。
ステップ4:新しいカードへの切り替え
不正利用が確認された場合、既存のカードは番号を変えて再発行になります。ただし、各種サービスへの自動引き落とし設定(電気・ガス・通信費など)も新しいカード番号に変更する必要があります。登録しているサービスをリストアップして、順番に更新しましょう。
補償制度の仕組み|原則60日以内の被害が対象
多くのクレジットカードでは、不正利用に対する補償制度が用意されています。一般的には「カード会社への届出から60日前以降にさかのぼって補償」という形が多く、不正利用と認められた金額が全額補償されるケースもあります。
ただし、以下の場合は補償対象外になることがある点に注意が必要です。
- カードの紛失・盗難を放置して届け出が遅れた場合
- 暗証番号を他者に教えていた場合
- 家族や同居人による利用の場合
- カードを貸し与えていた場合
補償の詳細はカード会社・商品ごとに異なるため、自分が持っているクレジットカードの会員規約を一度確認しておくことをおすすめします。特にゴールドカード以上では補償内容が充実していることが多いです。
まとめ
クレジットカードの不正利用は、誰でも被害者になり得るリスクがあります。しかし、日頃からの対策と早期発見の仕組みを整えておけば、被害を最小限に抑えることができます。
- 利用通知を設定して、使われたらすぐ気づける状態にする
- 毎月の明細を確認する習慣をつける
- フィッシングメール・怪しいリンクには触れない
- 被害に気づいたら即日カード会社に連絡する
- 補償制度の存在を把握しておき、適切に申告する
ポイ活でクレジットカードを積極的に使うほど、セキュリティ意識も高めておく必要があります。利便性を守るためにも、今一度ご自身のカード管理を見直してみてください。
※本記事は情報提供を目的としており、特定のカード会社・サービスを推奨するものではありません。クレジットカードの補償内容・手続きはカード会社・商品ごとに異なります。詳細はご利用のカード会社にご確認ください。
参考情報
【免責事項】本記事は個人の体験・調査に基づく情報提供を目的としており、特定の商品・サービスへの投資・契約を勧めるものではありません。制度・税率・サービス内容は変更される場合がありますので、最新情報は公式サイトや専門家にご確認ください。


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